【有馬記念】ジェラルディーナ 比類なきグランプリ濃度、3代血統表に優勝馬3頭
2022年12月21日 05:30 「2代制覇」と「コンバート」をキーワードに推移してきた秋のG1戦線。締めくくりの有馬記念にも天皇賞に続く最速の父子制覇に挑むキタサンブラック産駒イクイノックスを筆頭に、5頭の“グランプリホース2世”のエントリーがある。中でも異彩を放っているのが牡牝混合G1初挑戦となるエリザベス女王杯の覇者ジェラルディーナ。14年にレース史上2度目の父子2代制覇を達成したディープインパクト産駒ジェンティルドンナの第3子である。
ジェンティルドンナ以前に有馬記念を制した牝馬は59年ガーネツト、60年スターロツチ、71年トウメイ、08年ダイワスカーレットの4頭。大牝系の祖となったガーネツト、スターロツチも直子からは目立った活躍馬が出なかった。すでに5頭の後継繁殖牝馬を得ているダイワスカーレットも同じような状況で、母子2代の有馬記念出走はトウメイの子で79年に7着に敗れたテンメイ以来、実に43年ぶりとなる。19年リスグラシュー、20年クロノジェネシスと立て続けに“有資格馬”が現れたとはいえ、「母子2代」への挑戦は、この先もそう簡単には遭遇できないと思われる画期的な血統イベントなのである。
ジェラルディーナの3代父グラスワンダーは98、99年に連覇を果たし、ミスターグランプリの異名を取った名馬。先週の朝日杯FSで最新のG1ブルードメアサイヤーとなったディープインパクトを含め、3頭の歴代優勝馬が同居する3代血統表の“グランプリ濃度”は類を見ない。しばしば、おとぎ話のような結末を迎える有馬記念だからこそ、理屈抜きにロマンを追求してみるのも悪くないだろう。
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