【高木】秋の中山開幕!冷静な戦力分析光った3連単3万馬券的中
2023年9月14日 10:00 ▼木曜のテーマは競馬。前週に会心ヒットを放った記者が、的中のプロセスを振り返る。今週は東京本社予想・高木翔平記者が登場。秋の中山開幕を告げる「京成杯AH」で3連単3万馬券をゲットした。冷静な分析と丁寧な取材で、59キロの酷量ソウルラッシュに◎、1番人気インダストリアを☆にとどめたファインプレーが光った。
レース当日の本紙検討にも書いたが、京成杯AHというレースは実に微妙な位置付けの一戦だ。秋の大目標マイルCS(今年は11月19日)の前哨戦にしては間隔が空き過ぎ。実績馬が出走するにはハンデがネック。結果、実力馬は富士Sか毎日王冠で始動することが多くなる。例年、一長一短のメンバー構成になりやすいが、今年は明らかに実績上位のソウルラッシュが参戦。不動の中心として◎を託せた。
当然、59キロのトップハンデは少し気になった。実績に反して当日、2番人気だったのもこの重量が影響したに違いない。しかし、重量規定の改定以降、59キロのハンデを背負った馬はヴェルトライゼンデ(日経新春杯)、カラテ(新潟大賞典)と重賞2勝。500キロ超の大型馬ソウルなら評価を下げる必要はないと考え直した。
中山は過去に2戦2勝。共に好位からソツのない競馬で勝ち切っていた。中団以降から鋭い末脚を使うイメージの強い馬だが、コースや馬場状態に合わせられる柔軟性を備えていると判断。レース当日も芝のレースは極端な前残り傾向だったが、松山に導かれた本馬はスッと好位を確保。直線は力強く伸び、2キロ軽かったウイングレイテストを捉えた。
ブリンカー初着用で刺激を与えられた2着ウイングレイテストは△で拾えた。週中、畠山師の取材で得た好感触通り、勝負どころは抜群の手応えだった。実は本命も考えたのが3着の○ミスニューヨーク。中山マイル重賞はとにかく“リピーター”が目立つ。同舞台のターコイズSを連覇中。ここなら確実に脚を使う自信があった。一方、陣営が正直に「状態はまだ良化途上」だと教えてくれた1番人気インダストリアは☆評価。無印にする勇気はなかったが、取材の手応えを印に反映できたのは良かった。
例年は軽視されがちな京成杯AH勝ち馬だが、ソウルラッシュの勝ち方は明らかに本物。小差だった昨年マイルCS(4着)、不利で敗れた前走・安田記念(9着)と、G1での経験値も高い。この秋、ビッグタイトルを手にしても驚けない勝ちっぷりだった。 (高木 翔平)