【高木】負けるはずがないと思っていたけど異次元過ぎた

2023年11月2日 10:00

 木曜のテーマは競馬。前週に会心ヒットを放った記者が的中のプロセスを振り返る。今週は東京本社予想を担当する高木翔平記者。天皇賞・秋で断然人気イクイノックスから◎△☆で3連単6960円をズバリ。同馬に初めて打った確信の◎だが、気持ちは早くも次の頂上決戦。実は次走の方が堅いかも!?

 実は国内G1で初めてイクイノックスに◎を打った。これまでオッズ的な妙味を求めて伏兵に託してきたが、その間イクイノックスは【3・2・0・0】だから恥ずかしい話…。それでも、今回の天皇賞・秋だけは負けるはずがないと思っていた。

 木村師は春のG12戦をアウェーと表現した。ドバイシーマクラシックは初の海外遠征&キャリア初の「逃げ」。宝塚記念は内回りコースで出遅れを挽回しての差し切り。共に厳しい条件を勝ち切った姿に、この馬の芯から湧き出る強さを見た。スピード、瞬発力、スタミナの総合力が高い次元で問われる東京10F戦は、まさに絶好舞台。馬体の完成度が低かった昨年も快勝。馬が本格化した今年、この条件で負ける道理はなかった。

 それでも、1分55秒2の超絶レコードには言葉を失った。ジャックドールが演出した前半5F57秒7のハイペースを3番手で馬なりで追走。残り400メートルで悠々と先頭に立つと、追い出しを待つ余裕すらあった。しかも、後半5Fは57秒5!実は前後半5Fが共に57秒台で、しかも後半の方が速かったのは東京芝10Fでは史上初。強力先行勢が早々と力尽きたのは、むしろ当然と言えたペースで、イクイノックスだけが悠々と好位から突き抜けた。まさに異次元。恐ろしさすら感じるパフォーマンスだった。2、3着になだれ込んだのは、最後方付近でじっとしていた馬たち。ジャパンCで再戦する馬も多いのだろうが、正直、絶望的な差を感じさせる一戦となってしまった。

 2、3着の△ジャスティンパレス、☆プログノーシスは、完全に展開の利を受けた形。それでも、前者は天皇賞・春を優勝し、後者は締まったラップの札幌記念を優勝していた。ジャックドールが演出するハイペースで良さが出ると思い、印を回せた。

 イクイの次戦はジャパンCが濃厚。ルメールは「休み明けなら2000メートル、2戦目なら距離が延びた方が良さが出る」と断言。3冠牝馬で重量の軽いリバティアイランドとの二者択一になるのだろうが、現時点ではイクイノックスが負ける姿は想像できない。 (高木 翔平)

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