木曜のテーマは競馬。前週に会心のヒットを放った記者が、的中のプロセスを振り返る。今週は１１日の京都記念を◎○△でズバリ的中させた大阪本社・田村達人記者（３１）が登場だ。◎プラダリアが１番人気ベラジオオペラとの激しい叩き合いを制し、３度目の重賞制覇。３着には伏兵バビットが入り、３連単５万５６０円と配当が跳ね上がった。予想の決め手となったのは？

　会心のヒットだ。今の京都は開催を重ねて、誰が見ても分かるほど内ラチ沿いが荒れている。パワー型が活躍する舞台。１１日の京都記念で本命を打ったプラダリアは道悪で【２・０・１・０】と相性がいい。重馬場で行われた昨秋の京都大賞典は道中３番手から直線、２着ボッケリーニとの追い比べを制しており、良馬場でも適度に時計がかかる今の馬場なら１番人気ベラジオオペラにも勝てる可能性は十分あるとみた。

　レースは五分のスタートを決めてスッと好位を確保した。大外枠の逃げ馬アフリカンゴールドが序盤から軽快に飛ばしていく。終始、スムーズな立ち回りで馬なりのまま直線に入ると、ベラジオオペラとビッシリ馬体を併せて追い比べ。持ち前の勝負根性を発揮して、馬場のいい真ん中から力強く脚を伸ばすと、ゴール前でグイッと前に出た。

　今の京都の馬場傾向をキッチリ読み切った的中。３番人気◎→１番人気○で馬単は１１２０円と堅めの決着だったが、３着に９番人気の伏兵△バビットが食い込み、３連単５万５６０円と配当が跳ね上がった。今回のポイントはバビットまでしっかり印を回せたこと。３歳時に未勝利Ｖから４連勝で２０年セントライト記念を制して以降、馬券圏内から遠ざかっているが、稽古は元気いっぱいで年齢を感じさせない走り。担当する竹下厩務員が「まだ衰えていない」とやる気だったように成績だけで軽視するのは危険だと思った。

　ダート初起用の今年１月・東海Ｓこそ後続に早めに来られ、１６着に敗れたが序盤のスピードは健在だった。今回は芝替わり。同型との兼ね合いさえつけば。アフリカンゴールドがぐんぐん飛ばしてくれたおかげで道中２番手でも逃げに近い形で運べた。内ラチ沿いピッタリで直線、早め先頭に立つと粘りに粘って３着。大健闘だ。馬場の外めから差してきた上位２頭を考えれば、値打ちがある。屈腱炎を乗り越え、ようやく復調の兆しを見せた７歳馬。今年、またどこかで高配当を提供してくれると思っている。　（田村　達人）