父ドゥラメンテの“変異種”ルガル
2024年3月20日 05:30 先週末は不振の3歳世代が反転攻勢に出た種牡馬ドゥラメンテ。高松宮記念にはシャンパンカラーとルガルの4歳馬2頭出しとなった。ちなみに現6歳の初世代、現5歳の第2世代は、高松宮記念だけでなくスプリンターズSにも出走歴がなかった。産駒は3世代目にして初のスプリントG1出走ということになる。
特に注目すべきはシルクロードSでグレード初制覇を果たしたルガル。フラワーCのミアネーロで17頭(ダートグレード競走を含む)を数える父の重賞勝ち馬の中で、2歳、3歳限定戦を含めて距離区分S(1000~1300メートル)のスプリント重賞を制した馬は他にいない。統計的に見ても変異種に近い存在だ。
ルガルの3代母イーストオブザムーンはフランスで牝馬2冠とジャックルマロワ賞を制した名牝。その1歳違いの半兄がキングカメハメハの父でありドゥラメンテの父系祖父のキングマンボ。つまりルガルは、両馬の母であるG110勝の名牝ミエスクの4×4の近親交配馬となる。この極めてシンプルにして強烈なインブリードが“変異”のトリガーだったとも考えられるだろう。
思えば前3年で産駒が2度の2代制覇を果たしている13年の覇者ロードカナロアも、キングカメハメハ産駒では例外的なスプリンター(唯一の古馬芝スプリント重賞勝ち牡馬)だった。あるいはルガルは、ドゥラメンテにとってのロードカナロアなのかもしれない。 (サラブレッド血統センター)
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