【田井】函館2歳S 科学的根拠+馬体見極め=ズバッと3連単!

2024年7月18日 10:00

 木曜のテーマは競馬。前週に会心ヒットを放った記者が、的中のプロセスを振り返る。今週は東京本社・田井秀一が登場。函館2歳Sの3連単1万8580円を◎△▲で仕留めた。田井は開幕週の函館SS(3連単◎☆△)、函館記念(馬単○◎)と、今夏の函館3重賞で的中コンプリートを達成。函館2歳Sは最新の科学的根拠をベースに得意の馬体と状態の良さを見極め的中へと結びつけた。

 13日付のスポニチ競馬面。函館2歳Sの出走表に掲載されたサトノカルナバル堀師のコメントに「遺伝子検査が短距離向き」とあったのは、スポニチを手に競馬に臨んだ読者の皆さまは気づいただろう。

 専門的な用語を交えた解説は避けるが、染色体上にあるミオスタチンという遺伝子のタイプ(型)を調べることで競走馬の潜在的な距離適性が判明する。CC型(短距離)、CT型(中距離)、TT型(長距離)の3種類がありサトノカルナバルはCC型。加えて、7馬身差圧勝の新馬戦(1400メートル)に騎乗したレーンも「スプリンター」と評価したことから、距離を1200メートルに短縮して函館2歳Sに参戦することが決まった。史上初となる北海道以外でデビューした馬の函館2歳S制覇は、こうして成し遂げられた。

 一昔前は桜花賞、皐月賞で好走した馬はほとんど漏れなくオークス、ダービーへ向かっていたが、近年はどうだろう。欧州でもクラシック1冠目の2000ギニー(1600メートル)で好走してもダービーに向かわない馬が珍しくない。堀厩舎がそうであるように、遺伝子検査などの科学的根拠をベースに路線選択がなされていることは押さえなければならない。思い返せば、今年のNHKマイルCは皐月賞、桜花賞からの距離延長を“回避”した馬のワンツーだった。路線選択の精度は間違いなく上がっている。

 さて、陣営が明かした遺伝子検査の結果も考慮して迷いなく◎を打ったサトノカルナバルの骨格は短距離専門のそれではない。筋肉が肥大しやすい(=短距離が得意になりやすい)CC型らしく、新馬戦から一気に筋肉量は増大したが、スラッとした胴体から繰り出される走法には距離延長を克服できる素養が感じられる。陣営の思惑通り、「適性がある」短距離で賞金加算に成功し、ゆとりあるローテーションが組めるようになった。きっと、暮れの2歳G1でも主役を張っているだろう。

 稽古の動きから状態の良さが伝わってきた△ニシノラヴァンダ、▲エンドレスサマーが続き、3連単は1万8580円。◎の圧倒的人気も覚悟していたので望外の配当となった。不利な大外枠から4着まで押し上げた○ヤンキーバローズを次走注目馬として挙げておきたい。 (田井 秀一)

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