【朝日杯FS】昨年の雪辱へ!モーリス産駒総力戦4頭出し

2024年12月11日 05:30

 朝日杯FSには4頭のモーリス産駒がエントリーしている。サウジアラビアRCでワンツーフィニッシュを決めたアルテヴェローチェとタイセイカレント、デビュー2戦目の未勝利を強い競馬で勝ち上がったアドマイヤズームとヒラボクカレラ。昨年も3頭出し(ダノンマッキンリー8着、シュトラウス10着、ミルテンベルク17着)だった種牡馬モーリスにとっては2年越しの雪辱戦である。

 ちなみに朝日杯FS(朝日杯3歳S時代を含む)における同一種牡馬産駒の最多出走記録は、1965年ガーサント産駒の5頭。84年のグレード制導入以降では2000年、03年のサンデーサイレンスと15年キンシャサノキセキの4頭が最多で、これに続く3頭が96年ブライアンズタイム、16年マンハッタンカフェ、20年ドゥラメンテ、そして昨年のモーリスとなっている。2年連続の3頭(以上)出しは先例がない。

 モーリスの父系祖父グラスワンダーは97年の優勝馬。1分33秒6のレコードタイムは後に塗り替えられたが、終始外を回って悠々と差し切った破格のパフォーマンスは中山コース時代の伝説として今も語り継がれている。さらにグラスワンダーは種牡馬として08年の優勝馬セイウンワンダーを出している。“父子制覇”はグレード制導入前の76年の覇者である“元祖朝日杯レジェンド”マルゼンスキーが82年ニシノスキー、87年サクラチヨノオーで達成したが、G1格付け以降では空前にして絶後である。

 今回も直子のドラゴンブーストがエントリーしている父のスクリーンヒーローは、18年にアドマイヤマーズの2着に追い込んだクリノガウディーを出した。いわば朝日杯FSは父系3代にわたる血統的な要衝。2歳G1において必ずしも数の論理が通用しないことは、先週のキズナ産駒総崩れに見る通りだが、それでもなお種牡馬モーリスの“総力戦”には一目置いておきたい。 (サラブレッド血統センター)

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