【高松宮記念】距離短縮不問のディープ産駒 アレグリアで悲願
2020年3月25日 05:30 産駒デビュー11年目を迎える種牡馬ディープインパクトは、昨年までにJRA平地芝G1・22レース中20レースで勝ち馬を出してきた。そのうち天皇賞・春、大阪杯、ホープフルSは昨年が初勝利で、結果的に自身の没年に完全制覇への“マジック”を一気に3減らしたことになる。残る2レースはスプリンターズSと高松宮記念。春秋の短距離G1攻略は当欄でもしばしば触れてきた亡きモンスターサイヤーの懸案だが、その意味で今回の桜花賞馬グランアレグリアの参戦は注目される。
短距離G1に出走したディープインパクト産駒は、14年高松宮記念以降の正味6年で延べ20頭、実頭数では9頭と、そもそも試行回数自体が少ない。このうちグランアレグリアのようなG1勝ち馬はリアルインパクト(安田記念)とミッキーアイル(NHKマイルC)だけだった。ミッキーアイルが16年の高松宮記念とスプリンターズSで小差2着に健闘したのは記憶に新しいが、6年前に9着に終わったリアルインパクトも、のちにオーストラリア遠征でディープインパクト産駒として初めて「1600メートル未満」のG1ジョージライダーSを制した。どちらも距離短縮への耐性を実証しているのである。
グランアレグリアはクラシック馬として初の高松宮記念制覇に挑むことにもなる。父の勝負手が実を結ぶ可能性は大きい。(サラブレッド血統センター)