【チャンピオンズC】カフェファラオ“米3冠血統”の先駆者に

2020年12月2日 05:30

 一昨年のルヴァンスレーヴ、防衛戦に臨む絶対王者クリソベリルと、2年続けて3歳馬が優勝したチャンピオンズC。今年も次代を担う大物がエントリーしてきた。前走のシリウスSで古馬を一蹴したカフェファラオ。JRAでは依然、負け知らずという最強のチャレンジャーである。

 カフェファラオは5年前、78年のアファームド以来37年ぶりとなる米3冠を達成したアメリカンファラオの初年度産駒。この父は第2世代からも欧州2歳牡馬チャンピオンのヴァンゴッホを出すなど、歴史的名馬に相応の種牡馬能力の片りんを示しているのだが、自国アメリカでも活躍馬は芝に偏っており、本業のダートは現時点でグレード未勝利。北米芝リーディングでは稼働2世代ながらベスト10入りしている一方、ダート部門では49位と低迷している。例えるならディープインパクトが最上級のダートサイヤーだったようなものだ。

 自身唯一の敗戦を喫したジャパンダートダービーの勝ち馬であり、先日の浦和記念を制したダノンファラオも同じ父の持ち込み馬。つまりアメリカンファラオ産駒のダート部門における現役ツートップは日本にいるわけで、これは決して偶発的なものではない。最先端の“3冠血統”は恐らく、日本固有のダート血統として進化を遂げる。カフェファラオがその先駆者である可能性大だろう。 (サラブレッド血統センター)

特集

この記者のコラム

他の記者のコラム