カラテ 父トゥザグローリーに起死回生の“一撃”

2021年2月10日 05:30

 7日の東京新聞杯は遅れてきた上がり馬カラテが接戦を制して3連勝。鞍上の菅原明良騎手ともどもグレード初制覇を果たした同馬はトゥザグローリーの初年度産駒で、この父も産駒デビュー4年目にして初のJRA重賞勝ちとなった。

 京都記念、日経賞などグレード5勝を挙げたトゥザグローリーは、エリザベス女王杯優勝馬にしてドバイワールドCで連対した史上唯一の牝馬でもある名牝トゥザヴィクトリーを母に持つ良血。4歳時と5歳時に2年連続で実質G1級の120ポンドのレーティングを獲得し、世界ランキングにも名を連ねている。2年早く種牡馬入りした同じキングカメハメハ後継の同期ルーラーシップとも遜色のないポテンシャルを見込まれ、供用初年度の15年に96頭、翌16年には自己最多となる101頭の交配牝馬を集めた。ところが18年デビューの初世代の出足が鈍く、19年の交配数は前年比40頭減の37頭、昨年はピーク時の5分の1以下の18頭まで激減。重賞級どころか3勝馬さえ数えるほどという種牡馬成績では致し方のないところで、カラテの勝利は種付けシーズンを前にまさしく起死回生の“一撃”だったといえるだろう。

 ちなみにカラテはステイゴールドの半妹であるレイサッシュの孫。勝つか馬券圏外かという両極端の戦績はシルバーコレクターとして鳴らした同族の名馬とは対極だが、驚異の成長力は牝系由来と思われる。このままマイル戦線の主役級に駆け上がるかもしれない。 (サラブレッド血統センター)

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