【高松宮記念】ディープ産駒の敵はディープ孫ラウダシオン

2021年3月24日 05:30

 今年の高松宮記念にはディープインパクト産駒のJRA芝平地G1完全制覇が懸かる。高松宮記念は非世代限定戦なので、産駒が現役で走り続ける限りチャンスも毎年巡ってくるわけだが、とりあえず今回はダノンファンタジー、サウンドキアラのG1級牝馬がコンバートされた。特に前者はグランアレグリアと同期の2歳牝馬チャンピオン。3階級制覇に挑む陰の短距離女王の穴を埋める可能性は十分にある。

 その一方、種牡馬ディープインパクトの偉業達成の足かせになりかねないのは皮肉にも自身の遺伝力。キズナ産駒マルターズディオサ、ディープブリランテ産駒ミッキーブリランテ、そしてリアルインパクト産駒ラウダシオンと、今年は後継種牡馬の産駒も3頭出しとなった。中でもラウダシオンの父リアルインパクトはディープインパクトの牡馬として初のG1(安田記念)勝ち馬であり、最短距離(芝1500メートル=豪ジョージライダーS)のG1勝ち馬でもある。あらゆる意味でスピード寄りにアップデートされたディープインパクト血脈といえるだろう。

 06年NHKマイルCでサンデーサイレンスのG1コンプリートの可能性を消滅させたのは、後継アグネスタキオンの初年度産駒ロジックだった。ラウダシオンもリアルインパクトの初世代。子に先を越されるのは親の本望なのかもしれない。 (サラブレッド血統センター)

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