【日本ダービー】イクイノックス 大敗タッグの歴史的リベンジ

2022年5月25日 05:30

 皐月賞の稿で“最強の2・3位連合”と書いた当時から覚悟していたのだが、日本ダービーの主役候補としてイクイノックスの血統を語る際、どうしても避けて通れない事実がある。父のキタサンブラック、母の父キングヘイローが牡馬の2冠目ではくしくも同じ14着に大敗していることだ。

 日本ダービーで10着以下に敗れた馬が父として日本ダービーに産駒を出走させることは、それ自体が珍しい。グレード制導入以降ではビゼンニシキ(84年14着)、サッカーボーイ(88年15着)、前記キングヘイロー、ジョーカプチーノ(09年18着)、ジャスタウェイ(12年11着)に次いでキタサンブラックが6頭目。父も母の父も2桁着順のイクイノックスは、歴代出走馬の中でもワースト級の“大敗タッグ”の産物ということになる。

 ちなみに59年の優勝馬コマツヒカリの父トサミドリは49年の7着馬で、キタサンブラックと同じ菊花賞馬だった。前記サッカーボーイは99年2着のナリタトップロード、ジャスタウェイも19年3着のヴェロックスを出している。結論を言えば“大敗歴”は杞憂(きゆう)だろう。祖母の父トニービンは父としてウイニングチケットとジャングルポケット、母の父としてアドマイヤベガ、そして祖母の父としてドゥラメンテを出した日本ダービーの最重要血脈。この父と母の父の歴史的リベンジを後押ししてくれるはずだ。(サラブレッド血統センター)

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