ディープインパクト産駒“最後の傑作候補”の活躍に期待

2022年6月8日 05:30

 JRAの2歳戦が開幕した先週は、海外でも注目の2歳馬がデビューした。1日、アイルランドのカラ競馬場芝7Fの新馬で2着に入った2歳牡馬オーギュストロダン。20年1月26日に生まれたアイルランド産のディープインパクト最終世代である。

 国内で血統登録された現2歳のディープインパクト産駒が6頭しかいないことは折に触れて書いてきたが、他に海外で血統登録されたいわゆる「持ち出し」産駒が7頭いる。オーギュストロダンもその中の1頭。母のロードデンドロンは、日本でも海外馬券発売レースの常連としておなじみになったG1・7勝の名牝マジカルの全姉で、自身もフィリーズマイルなどG1・3勝、英1000ギニー、英オークス、BCフィリー&メアターフ2着と、妹と遜色のない実績を残した。その父ガリレオとディープインパクトの好相性は英2000ギニーのサクソンウォリアー、英・愛オークスのスノーフォールで実証済み。道中スムーズさを欠きながらも2着に追い上げたオーギュストロダンには、血統にたがわぬ将来性を見込んでいいだろう。

 結果的にディープインパクト最後の種付けシーズンとなった19年には、ロードデンドロンの他にもえりすぐりの繁殖牝馬が日本に送り込まれていた。前記サクソンウォリアーの全弟ドラムロール、全欧年度代表馬マインディングの牝馬(馬名未登録)といった“最後の傑作候補”の始動を大きな期待とともに待ちたい。 (サラブレッド血統センター)

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