雨不足に熱波…窮地に陥っている欧州競馬

2022年8月11日 05:30

 日本調教馬が出走する欧州主要競走の生中継をご覧の皆さまはよくご存じのように、異常なほど雨が少ないのが今年の欧州だ。

 英国の気象庁にあたるメット・オフィスは、7月の英国における月間降雨量が、1935年以降で最少だったと発表。各地で水不足が深刻な問題となりつつある。英国における馬の街ニューマーケットも例外ではなく、7月の降雨量は過去10年の平均のわずか13%に過ぎなかった。調教用の馬場は当然のことながら硬くなっている一方、十分な散水を行うことができず、ニューマーケットに広がる総延長50マイルの芝の調教コースが、全面的に使用不可の状態に陥っている。ニューマーケットを拠点とした馬たちが、現段階で調教に使用できるのは、総延長14マイルのオールウェザートラックのみだ。さらに、7月18、19日の英国は、日中の最高気温が40度を超える熱波に襲われたが、今週後半には熱波の第2陣が襲来することが予測されている。

 調教施設が限定されている上に、異常な高温に見舞われれば、出走を見合わす馬が多く出てしまうのは当然で、いずこの競馬場でも頭数の少ないレースばかりという窮地に陥っている。(競馬評論家)

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