【小林】東京新聞杯4万円超はオープン3連勝見てきた信念の証

2023年2月9日 10:00

 ▼木曜日のテーマは競馬。前週に高配当をヒットした記者が「この馬券こう当てた」で的中レースを検証する。今回のヒーローは東京新聞杯の3連単4万5900円を的中させた大阪本社予想の小林篤尚記者。その的中理由を聞こう。

 関西記者にもなじみの深い関東馬がいる。最近ではタイトルホルダー。昨年は天皇賞・春、宝塚記念と西日本エリアの競馬場でG1連勝を決めた。その後、凱旋門賞(11着)を生で見ることもできた。思い入れのあるステイヤーだ。

 ウインカーネリアンは昨年3月、六甲Sで西日本エリア初登場。約1年の長期休養明けだった。復帰戦に阪神を選択し、逃げる形で0秒6差の6着と頑張った。上位5頭のうち4頭はその後にオープンで連対。2着ファルコニアは昨秋に京成杯AHを制していた。“レベルの高かったレース”として自分の記憶に刻まれた。

 ウインカーネリアンは続く谷川岳Sを勝ち、米子Sで再び阪神に戻ってきた。この時は迷わず◎を打った。1分32秒9の好時計でV。「重賞でも十分勝負になる馬」とインプットした。次走の関屋記念も本命。重賞初制覇はうれしかった。この馬は強い。思い入れの強い関東馬となった。

 そんな流れもあり、能力比較では全く引けを取らないと考えた。気分がグッと上がったのが先週金曜の午前10時過ぎ。栗東トレセンの記者席で2番枠を確認。ナミュールとプレサージュリフトが8枠で並んでいる。絶好の内枠ではないか。先行激化もなさそうな顔触れに思えた。本命は素直に決まった。

 いざ本番。素晴らしい二の脚。逃げる形を取った。前半600メートルが34秒4と楽な展開ではなかったが、二枚腰を使って押し切った。勝ち時計は1分31秒8。準オープン(幕張S)を勝った時と同じタイム。速い時計の裏付けがあることも当然、頭に入っていた。

 担当記者は毎週、レースをつぶさにチェックしている。松本清張作品の「点と線」ではないが、競走馬を一つの線として見ている。東京新聞杯の前のマイルCSは12着。ラストは瞬発力勝負になり、この馬には展開がフィットしなかった。この馬の力はこんなものではない。重賞を含むオープン3連勝を見てきた信念で◎を打てた。

 同じ日曜の小倉メイン、関門橋Sで2着に入ったダンディズムも“いつかは走る”と思っていた馬。オープンに上がって重い着順が並んだが、常に速い上がりを使えていた。スタートさえ出れば、どこかで穴をあける。考えていたより人気になった(5番人気)が、ようやく馬券に絡んでくれた。気になる馬を見つけて追いかけるのも競馬の楽しみの一つだと思う。

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