【鈴木正】自然にたどり着いた3連単◎○☆

2023年3月9日 10:00

 ▼木曜日のテーマは競馬。前週に高配当をヒットした記者が「この馬券こう当てた」で的中レースを検証する。先週は3重賞が行われ、弥生賞ディープインパクト記念の3連単4010円を◎○☆で仕留めた鈴木正記者がヒーロー。父サトノクラウンの現役時の歩みを思い出せば、自然と◎タスティエーラにたどりつくと解説した。

 ディープインパクト産駒のいない弥生賞ディープインパクト記念。血統の世界が新たな時代に入ったことを意識せざるを得ない。各馬の父の現役時をありありと思い描くと…自然と◎タスティエーラにたどり着いた。

 父はサトノクラウン。国内でのG1制覇は17年宝塚記念(やや重)だった。弥生賞も制している(15年)が、馬場はやや重。16、17年と京都記念を連覇したが馬場は重とやや重。17年天皇賞・秋で2着(優勝はキタサンブラック)だったが、この時は極悪の不良馬場だった。

 ということで父は水分を含んだ馬場に強く、パワータイプだった。共同通信杯(4着)で切れ負けしたタスティエーラだが、パワーが求められ、最後に急坂が待つ中山で巻き返すことは容易に想像できた。

 堀厩舎が共同通信杯から中2週で臨むことにも「オッ」と思った。やや古い話になるが、マイラーとして天下を獲ったモーリスを2000メートルにチャレンジさせ、見事に天皇賞・秋と香港カップをつかんだ。あれは厩舎にとってチャレンジだった。今回も難事に挑戦するのだな、と感じた。

 サラッと仕上げれば事足りると思ったが、美浦が誇る敏腕は違った。何と最終追いは3頭併せ。僚馬に1馬身遅れたが、このあんばいが絶妙なさじ加減なのだろう。パドックで見たタスティエーラの馬体は前走から全く崩れておらず、間隔を詰めても前向きさは前走以上だった。堀厩舎は今回もチャレンジを成功させた。

 ついにパンサラッサでサウジカップを制した矢作芳人厩舎の成功理由は、とにかく弾を撃ってノウハウを積み上げたことだ。挑戦しなければ腕は上がらない。その点、堀厩舎も果敢な挑戦でどんどんとノウハウを手にしている。タスティエーラはいずれG1を獲るだろう。そのことを確信できた今回の勝ちっぷりだった。

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