【仙波】青葉賞で3連単読み切った”プラスアルファ”の思考

2023年5月4日 10:00

 ▼木曜日のテーマは競馬。前週にヒットを放った記者が「この馬券こう当てた」で的中レースを振り返る。今週は青葉賞の3連単3万7200円を◎☆△で的中した仙波広雄記者が登場。ダービートライアルであるこのレースで、スポーツ紙記者ならではの「先読み」とはどういうことだろうか?

 青葉賞のレースは4月29日、この記事が掲載されるのは5月4日だが、スポーツ紙の競馬班は既に5月28日のダービーに向けて動いている。いわゆる「ダービー進行」である。

 ダービーウイークをどんな紙面で彩るか、天皇賞・春の前から企画が飛び交う。ダービーの主役は衆目一致で皐月賞馬ソールオリエンス。ただ、1頭だけで1週間の紙面はできない。対立軸が欲しい…と頭を悩ませる時にあるのがダービートライアル青葉賞。

 「木村厩舎のキタサンブラック産駒は今年もヤバいらしい」。噂レベルでは、デビュー前どころか、それこそ育成段階からクラシック候補として名前が挙がっていたスキルヴィング。今年「も」の部分は昨年のイクイノックス(皐月賞とダービー連続2着、天皇賞・秋と有馬記念を制覇)を念頭に置いたものだから、いくら何でも…と思ったが、確かにいい馬。ここはまず勝てる。皐月賞を大外一気で仕留めたソールオリエンスもキタサン産駒。まだダービー馬が出たことがない青葉賞組だが、画期的な内容で勝てば――。

 記者魂が騒ごうというものだ。同父のライバルで、片や3戦目で皐月賞を制した天才なら、片や競馬史に残るジンクス「青葉賞からのダービーVなし」打破を狙う気鋭。

 青葉賞のレース前から「“ジンクス・ブレーカー”スキルヴィング 青葉賞馬苦難の歴史にピリオドを打つ」と企画を銘打ってしまった。願望と祈願を交えながらも勝利を確信してレースを見守る。ただ勝つのでは駄目。圧勝でなければ。

 レースは、絶対不利を受けない外回しで完勝。できれば2着には水をあけてほしかったが、ルメールが「G1ホースだと思う」と絶賛しているなら及第。先を読みまくった青葉賞関連の企画は全バラ(全部バラバラ)にならず日の目を見そうだ…と、ダービー企画担当として胸をなで下ろした次第。3着の11番人気ティムールに△が入ったのはトライアルの内枠キズナ産駒ゆえだが、企画のことを思えば「プラスアルファ」の部分。潤ったことは否定しませんが。 (仙波 広雄)

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