【高木】◎ソングライン タイムに出ない変化をキャッチ
2023年5月18日 10:00 ▼木曜日のテーマは競馬。前週にヒットを放った記者が「この馬券こう当てた」で的中レースを振り返る。今週はG1ヴィクトリアマイルで3連単1万2830円を◎○☆で見事に的中した殊勲の東京本社・高木翔平記者が登場。予想表を見るだけでは分からない普段の運動量から状態アップを確信。自宅アパートの更新料も手中にして公私ともに会心の日曜となった。
個人的な話で恐縮だが、今月は賃貸アパートの更新月。ヴィクトリアマイルの3日前まで失念しており、途方に暮れていた。「ヴィクトリアマイルで稼げば大丈夫じゃん」。そう奮い立てたのは、レース当日の午後。◎ソングラインが内から伸びてきて、充血した目で声を張り上げた。
昨年の安田記念でも本命を打ったソングラインには結構、自信があった。週中は美浦トレセンで取材。まず、海外帰り初戦で5着に敗れた昨年ヴィクトリアマイルの反省を生かした調整過程に好感。明確に変わったのは普段の運動量。攻めきれなかった昨年より、運動メニューを増やしていた。タイムを出さない運動の変化は気づきにくいが、取材で「昨年以上の状態」を知れた。
レース前まで、東京マイル【3・1・0・1】の好相性。昨年の安田記念ではシュネルマイスター、サリオス、セリフォスなどの強豪牡馬を撃破した。府中の直線をフルに使える末脚は現役屈指。また、昨年安田記念は例年以上に息が入り、道中でせかされない方がいいとも思っていた。今年のヴィクトリアマイルは、前走で逃げた馬が不在。快速ソダシも大外枠なら無理はできないと予想。スロー~平均ペースの東京なら確実に伸びてくる安心感があった。
レースは直前にスコール級の大雨。良馬場発表だが、各馬は明らかに内を避けて運んでいた。内枠でインを走らざるを得なかったソングラインにとっては逆風だったが、直線はただ一頭荒れた内を鋭い伸び。戸崎騎手が「強さが際立った」と驚きを交えつつ喜んだのも納得の勝ちっぷりだ。安田記念は良馬場を大外一気。対照的なG12勝に改めてこの馬の能力の高さを認識させられた。
本命は昨年覇者ソダシとの2択だったが、ソダシは大外枠が気になり対抗。着差はわずか頭だけで、大きく切れ込みながらポジションを取りに行ったロスがなければ勝敗は分からなかったと思う。息の入らないペースで示す無類の強さは今年も健在だった。3着は☆スターズオンアース。どうしても序盤の運びに不安が残る馬だったが、マイル戦で好位に導いたルメールはさすがの一言だ。この日の競馬は距離を延ばした今後にきっと生きるはず。
安田記念は今日の上位メンバーに強力牡馬たちが合流する。それでも今回の状態を維持できていればソングラインに◎を打ちたい気持ちが強い。開幕序盤の芝より道中で楽に運べそうなのも大きい。中間の様子をしっかり注視して印に反映させたい。 (高木 翔平)