【田村】阪神JFゲット!栗東滞在の関東馬に注目

2023年12月14日 10:00

 木曜のテーマは競馬。前週に会心のヒットを放った記者が、的中のプロセスを振り返る。今週は10日の阪神JFを的中した大阪本社・田村達人が登場。◎3番人気アスコリピチェーノ、△5番人気ステレンボッシュで馬単4350円を仕留めた。栗東滞在の関東馬がワンツー。予想の決め手となったのは?

 ここ最近、先月12日のエリザベス女王杯を勝った3歳牝馬ブレイディヴェーグなど関西記者にとって栗東滞在で調整を進める関東馬の取材が当たり前になっている。

 阪神JFもそう。滞在馬2頭がワンツーだった。デビュー2連勝で新潟2歳Sを制した関東馬◎アスコリピチェーノは長距離輸送のリスクを避けて、ひと足先に栗東へ。1週前追いは美浦から北村宏が駆けつけて、目いっぱいの併せ馬。鈴木助手は「夏場よりしっかり負荷をかけることができている。これだけやると普通の2歳牝馬はカイバを食べないものだけどカイ食いが落ちない。そこが強み」と滞在効果に加え、休養前より精神面が強くなったのは明らかだった。

 東京の新馬戦が道中11番手から上がり3F最速の脚で差し切り初陣V。新潟2歳Sはスタートで後手に回ったが二の脚がついて道中5番手につけると直線、逃げ粘る2着馬を難なく差し切った。操縦性の高さと追い出してからのスムーズな加速力が武器で、何よりレースセンスが高い。稽古の走りから初の右回りも問題なし。父ダイワメジャーは15年メジャーエンブレム、19年レシステンシアがV。むしろ条件替わりでパフォーマンスは上がるのでは?と思った。

 当日のパドック。毛ヅヤはピカピカで、力強い踏み込み。ひと目で出来の良さを確信した。鈴木助手は最もよくしつけられ、最も美しく手入れされた出走馬を担当する厩舎スタッフの努力を称え表彰する「ベストターンドアウト賞」を受賞。これにも納得だ。

 レースは五分のスタートを決めて道中8番手から。馬群の中で折り合いがつくと直線、馬場の真ん中からグイグイ加速。ゴール前は内と外から2、3着馬が迫ってきたが持ち前の勝負根性で最後まで先頭は譲らなかった。激しい叩き合いを首差で制し、無傷の3連勝で2歳女王へ。夏からの成長力も当然だが長距離輸送を気にせず、直前までしっかり負荷をかけられたことで久々でも全力のパフォーマンスを引き出せた。

 2着ステレンボッシュも同じく栗東で調整を進めた関東馬。ここ最近の活躍ぶりからドンドン滞在馬は多くなりそう。しっかり状態を見極めて的中につなげたい。 (田村 達人)

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