「内国馬砂血統の復権」果たしたペプチドナイル
2024年2月21日 05:30 本年最初のG1競走、フェブラリーSは11番人気のキングカメハメハ産駒ペプチドナイルの勝利で大波乱となった。チャンピオンズCでは圧倒的な実績を誇る種牡馬キングカメハメハだが、フェブラリーSは意外にも初勝利。これで産駒のJRA重賞勝利は17年連続となり歴代6位のサンデーサイレンス、ステイゴールドに肩を並べた。秋華賞馬スタニングローズを筆頭とする現5歳が最終世代で、現6歳にもペプチドナイルの他にダートグレード級のディクティオン、テンカハルが健在。パーソロンとクロフネが保持する19年連続の日本記録も現実的なターゲットといえるだろう。
ペプチドナイルの血統で特筆しておくべきポイントは、父キングカメハメハだけでなく、母の父マンハッタンカフェも日本産であること。G1昇格後のフェブラリーSを純内国産配合馬が制したのは初めてで、“父系3代”に期待した当欄の見立ての上を行く「内国産ダート血統の復権」が果たされたわけだ。
ペプチドナイルの母の父マンハッタンカフェは13年の覇者グレープブランデーの父でもある。父としても母の父としてもG1フェブラリーS優勝馬を出した種牡馬はサンデーサイレンス、ティンバーカントリー、ヘネシーに次いで4頭目だが、内国産種牡馬では初。ダートサイヤーとしてのマンハッタンカフェの異能を再評価しておきたい。今週末のサウジCに挑むメイショウハリオは母の父マンハッタンカフェ。連鎖反応的な激走も大いにあり得る。
(サラブレッド血統センター)