【安田記念】母の父由来 ロマンチックウォリアーのG1連勝力
2024年5月29日 05:30 今年の安田記念は日本VS香港の対抗戦の様相。昨年の香港マイル2着馬ヴォイッジバブルと香港2000メートルG1の“門番”ロマンチックウォリアー。どちらも日本馬の上を行くプレレーティング(ヴォイッジバブル119、ロマンチックウォリアー123=いずれも23年確定値)が示す通りの強豪だ。
特にロマンチックウォリアーは香港調教馬に限らず、近年の遠征馬で最強クラスといえる大物。生産を伴わない香港競馬のビッグネームの血統は、良くも悪くもつかみどころのなさが特徴といえるのだが、アイルランド生まれの同馬の強さは血統的にもそれなりの説得力がある。ドバイワールドCとジャパンCに優勝した名馬シングスピール産駒の祖母フォークオペラは、芝10FのカナダG1・EPテイラーSの勝ち馬。こちらもドバイワールドCの覇者である母の父ストリートクライは、父としてG1・13勝を含むデビュー19連勝を記録した名牝ゼニヤッタ、オーストラリアでG1・25勝、33連勝の大レコードを樹立したウィンクスという2頭の歴史的名牝を出した一発長打型サイヤー。クイーンエリザベス2世C3連覇で示したロマンチックウォリアーの圧倒的な“G1連勝力”は、この母の父由来の資質といえるかもしれない。
世界のマイル王ゴールデンシックスティの2着に敗れたスチュワーズC以来、1年4カ月ぶりとなるマイル戦。ロマンチックウォリアーにとっては余技に近い分野なのだが、地の利を考慮しても日本勢が連勝を止めるのは容易ではない。(サラブレッド血統センター)