英ダービー馬の次の矛先は父の母国である米国

2024年6月5日 05:30

 1日の英ダービーは昨年の全欧2歳牡馬チャンピオン、シティオブトロイがアンビエンテフレンドリーに2馬身3/4差の完勝で1番人気に応えた。A・オブライエン調教師、ムーア騎手の人的背景に加え、英2000ギニー大敗からの巻き返しというプロセスまで昨年のオーギュストロダンとの符合が話題になった第245代英ダービー馬は、その血統背景にも同じく、オーギュストロダンとの共通項が少なからず認められる。

 シティオブトロイの母トゥゲザーフォーエヴァーは、英ダービー馬ガリレオを父に持つ14年の英2歳牝馬G1フィリーズマイル優勝馬。その2年後に同レースを制したのが、オーギュストロダンの母であるこちらもガリレオ産駒のロードデンドロンだった。オーギュストロダンの父ディープインパクトは言わずと知れた日本の3冠馬で、シティオブトロイの父ジャスティファイは18年の米3冠馬。つまり直近2年の英ダービー馬はどちらも他国の3冠馬とBMSガリレオの強力なハイブリッドの産物なのである。蛇足ながら英3冠馬の子の英ダービー制覇は95年のラムタラ(父ニジンスキー)が最後となっている。

 ケンタッキーダービー馬の子の英ダービー制覇は84年セクレト(父ノーザンダンサー)以来40年ぶり。ノーザンダンサーから枝分かれしたストームキャット系初の英ダービー馬でもあるシティオブトロイは今後、北米ダートG1路線に矛先を向けるという。最新の米3冠馬の最高傑作にとっては、母の父が6着に敗れたBCクラシックも極めて現実的なターゲットだろう。 (サラブレッド血統センター)

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