サートゥルナーリア 母シーザリオの遺伝力に絶対的信頼

2024年7月3日 05:30

 【2歳新種牡馬紹介(2)】
 サートゥルナーリア 2016年生まれ 黒鹿毛 安平産 父ロードカナロア、母シーザリオ(母の父スペシャルウィーク)中央で10戦6勝 主な勝ち鞍は皐月賞、ホープフルS、神戸新聞杯、金鯱賞 2歳産駒142頭。

 2019年JRA賞最優秀3歳牡馬。2頭のG1馬の半弟というエリート血統にたがわず、デビュー3連勝でG1昇格2年目のホープフルSに優勝。圧倒的1番人気に支持された3歳初戦の皐月賞ではゴール前の接戦で勝負強さを発揮し、ディープインパクト以来、14年ぶりに無敗で牡馬クラシックウイナーとなった。日本ダービーは発馬が悪く、後方から最速の上がりで追い上げたものの4着。凱旋門賞挑戦のプランは立ち消えとなったが、神戸新聞杯を完勝し、有馬記念でも2着確保と、世代最上位のポテンシャルと2400メートル級への適応力は十分に示した。4歳時は金鯱賞でグレード4勝目を挙げた後、宝塚記念では悪化した馬場に苦しんで4着。後半戦は足回りが万全の状態に至らず、そのまま現役を退いた。

 半兄エピファネイアとリオンディーズが初年度産駒からG1勝ち馬を出したように、「種牡馬の母」としての名牝シーザリオの遺伝力には絶対的な信頼が寄せられる。祖父キングカメハメハ、父ロードカナロアと、3代続いたG1父系もしかり。競走馬として示した能力にプラスアルファの期待値を見込めるはずだ。今世紀の無敗の皐月賞馬はアグネスタキオン、ディープインパクトに次いで3頭目。先例に倣えば新種牡馬リーディングはもちろん、将来的なチャンピオンサイヤーの座も約束されている。 (サラブレッド血統センター)

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