【秋華賞】「G1馬の娘」で「G1馬の妹」クイーンズウォーク

2024年10月9日 05:30

 またしても父子2代制覇が不発に終わったスプリンターズSでは、血統絡みのジンクスの効力とともに、血統予想における初志貫徹の重要性を再認識させられた。その教訓を踏まえた“原点回帰”が秋華賞の個人的テーマである。

 牝馬の3冠目では伝統的にG1(級)勝ち馬の娘、あるいは妹といった明快なエリート血統が強い――。これは血統関連の物書きを始めた旧エリザベス女王杯の時代から30年にわたって刷り込まれた経験則。現実に昨年、牝馬3冠を達成したリバティアイランドも母が豪G1・2勝を挙げたチャンピオン牝馬だった。

 前哨戦のローズSを快勝したクイーンズウォークは母のウェイヴェルアベニューが米G1BCフィリー&メアスプリントの勝ち馬で、この母の胎内で輸入された持込馬の半兄グレナディアガーズは20年の朝日杯フューチュリティSを制した。「G1馬の娘」にして「G1馬の妹」という血統プロフィルはまさに鬼に金棒。春の2冠で後塵を拝したライバルを逆転する可能性は十分にあるだろう。

 紫苑S2着のミアネーロは米G1デルマーデビュータントS勝ち馬ミスエーニョの娘。オークス9着以来の実戦となるアドマイヤベルはヴィクトリアマイル優勝馬アドマイヤリードの半妹で、前走で2勝クラスを勝ち上がったチルカーノは皐月賞馬ジオグリフの半妹。今回の出走予定馬ではクイーンズウォークを含めた4頭が前記のフィルターで絞り込まれる。特に「G1馬の妹」は旧エリザベス女王杯時代の92年に単勝17番人気で優勝したタケノベルベット(桜花賞馬リーゼングロスの妹)、95年に単勝10番人気で優勝したサクラキャンドル(秋の天皇賞馬サクラチトセオーの妹)など、牝馬3冠目の激走ブランド。ひと夏越したアドマイヤベルの上昇度は要チェックだ。 (サラブレッド血統センター)

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