【坂田高浩】“失敗”は成功のもと!!痛恨無印のオークス反省し実りの秋華賞
2024年10月17日 10:00 木曜のテーマは競馬。前週に会心ヒットを放った記者が、的中へのプロセスを振り返る。今週は牝馬3冠最終戦の秋華賞で3連単1万1970円を仕留めた大阪本社・坂田高浩が担当。オークスの反省をもとにチェルヴィニアの能力と状態をしっかり見極め、本社予想の重責を果たした。
恥を恐れず振り返れば、チェルヴィニアのオークスは痛恨の無印だった。84年のグレード制導入以降、桜花賞2桁着順から優勝したのは13年メイショウマンボ(桜10着)のみ。一度、歯車が狂えば牝馬は復活が難しい。追い切り映像からは上昇ムードを感じ取りつつも、良化途上の印象も受けた。上位人気ならばあえて…と妙味重視に走ってしまった。結果はご存じの通り。桜花賞馬ステレンボッシュを差し切っての戴冠。能力の絶対値が違うと思わせる強さだった。
順調ならば2冠濃厚。状態面が焦点だった。最終追いをチェックし、画面越しに春からの成長が伝わってきた。休み明けでも力を出せる態勢。あとはトリッキーな京都内回りの舞台がどうかだが、共同会見でルメールが「反応が結構早いので、直線が短くても走れると思う」と口にしていたことから不安はなかった。
2着ボンドガールはデビュー戦でチェルヴィニアを負かしてV。能力値で言えばG1で好走しても何ら不思議じゃない。勝ち星こそ遠ざかっているが、今夏以降の2走も負けて強し。しまいの脚が鋭く、展開ひとつだと思っていた。
印象に残ったのは3着ステレンボッシュの奮闘だ。栗東では不安説が出ていた。滞在中に歩様に硬さが出て、1週前追いは予定していたCWコースではなく、1日ずらして坂路だった。当週追いもCWコースでミアネーロ相手に手応えで見劣り、稽古をつけた戸崎の表情も晴れなかった。状態面はおそらく何とか整った、といったところ。レースもうまくいったとは言いがたい。スタートで後手に回り、勝負どころでも馬群に包まれて動けず。しかし、進路が開けてからはグイグイと伸びて馬券圏内に進出した。次走でガラッと変わる可能性があると感じた。
チェルヴィニアは次走がジャパンC(11月24日、東京)となりそう。過去に秋華賞を制した12年ジェンティルドンナ、18年アーモンドアイは次走のジャパンCも制覇。偉大な先輩に続く可能性は十分だと思う。ステレンボッシュも出走の場合、無印だと痛い目を見るかもしれない。(坂田 高浩)