ニシノデイジーが父のサイヤ―ライン継続の切り札
2025年1月22日 05:30 種付けシーズン開幕を間近に控え、本年度から供用を開始するルーキーサイヤーの顔触れもほぼ固まった。血統市場における“初値”は種付け料1000万円で既にブックフルの人気を博すドウデュース。そして初年度からダーレー・ジャパンスタリオンコンプレックスの最高価格500万円で供用されるレモンポップの24年度JRA賞受賞馬が双璧。だが血統的な希少価値を強調しておきたいのがもう一頭の受賞馬。最優秀障害馬ニシノデイジーだ。
ニシノデイジーは中山大障害を隔年で2度制した名障害馬であると同時に、札幌2歳Sと東京スポーツ杯2歳Sを連勝し、ホープフルSで3着となったクラシック候補でもあった。ハービンジャー産駒では第3世代の1勝馬アグニシャインが供用4年で8頭の血統登録産駒を残した(22年限りで用途変更)が、同じく14年産のマイルCS勝ち馬ペルシアンナイト、15年産の有馬記念勝ち馬ブラストワンピースは種牡馬登録されておらず、グレード勝ち馬の種牡馬入りは初めてだ。ニシノデイジーは祖母ニシノミライの父が菊花賞レコード勝ちの2冠馬セイウンスカイで、3代母が桜花賞、スプリンターズS勝ちのニシノフラワー。西山茂行オーナー秘蔵の90年代クラシックホースの血脈が母の父アグネスタキオン、そして父と、決定力に富むG1サイヤーによってアップデートされた形だ。セミリタイアの段階に入った種牡馬ハービンジャーには、サイヤーライン継続の切り札的存在となるかもしれない。(サラブレッド血統センター)