【岡本】競馬歴30年のロマンは△、▲に込めシビアに予想

2021年9月16日 10:00

 ▼木曜日のテーマは競馬。前週に高配当をヒットした記者が「この馬券こう当てた」で的中レースを検証する。先週は土曜中山の秋華賞トライアル「紫苑S」で3連単6万4570円をブチ当てた岡本草太記者がMVP。競馬歴30年の知識と積み上げた取材歴に裏打ちされた「競馬は格」の持論。しっかりと頭に入れて秋のG1に臨みたい。

 格か、勢いか――。かつてはこれが秋競馬における最大のテーマだった。かつては、である。端的に結論を言おう。今の競馬においては格が勢いを完全に上回る。その大きな理由は外厩の充実だ。

 まだ新型コロナウイルスがなかった一昨年までは毎年、夏に記者有志でノーザンファーム天栄(福島県)を訪問するのが恒例行事だった。午前中に調教や施設を見学し、夕方に天栄チームとのフットサル定期戦(大幅に負け越してます…)。アーモンドアイなど滞在中の実績馬も見せてもらっていたのだが、その際の木実谷場長のひと言が印象に残っている。「レース間隔が空くと、皆さん“休み明け”って書くけど、全然休んでないでしょ?」。確かに。イメージ的には集中しやすい環境で夏合宿をする名門運動部が近いか。例えば、菅平でみっちり練習して迎える強豪ラグビー部の秋の開幕戦。いきなり全開でもなんら不思議はない。

 桜花賞、オークスの連対馬が不在の紫苑S。本命はすぐに決まった。フェアリーS優勝&桜花賞3着の◎ファインルージュは出走メンバーで本賞金1位=格最上位。追い切りを含めた気配が良く、名手・福永が中山に駆けつけての連続騎乗も心強かった。同じくオークス組の2着スルーセブンシーズが▲。ワグネリアンの全妹という血統と開幕週の内枠で△を回したミスフィガロが3着に好走してくれたのは運が良かった。

 今週もローズS、セントライト記念とトライアルが続く。「夏の上がり馬」や「遅れてきた大物」にときめかないかと言えば実は大いにときめくのだが、予想はシビアに格重視。競馬歴30年のロマンは△、せいぜい▲に込めるのが得策だろうと思っている。

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