【高木】人気割れしたハンデ重賞 「能力一点突破」でマイティ―◎

2022年6月23日 10:00

 ▼木曜日のテーマは競馬。前週に高配当をヒットした記者が「この馬券こう当てた」で的中レースを検証する。19日の阪神メイン、マーメイドSで単勝14・6倍の10番人気ウインマイティーに◎を打ち、3連単11万6680円を仕留めた高木翔平記者が主役だ。難解なハンデ重賞での2年2カ月ぶりの白星を読み切った、「記者ダービー」首位を走る絶好調男の狙いを明かす。

 正直、マーメイドSは今年で最も難しい重賞レースだった。それは単勝オッズにも表れていて1番人気ソフトフルートが6・2倍。そして◎を打ったウインマイティーは10番人気だったにもかかわらず、単勝14・6倍。単勝も持っていたが、10番人気の単勝で15倍しか返ってこないのは初めて。10→4→1番人気の3連単が11万6680円。たとえば今年の1月5日中山6Rが16頭立て10→4→1番人気で決まったが3連単は20万1990円。人気割れなので仕方ないが、これだけ難しくてこの配当…当てたのにどこかモヤモヤしてしまった。

 牝馬限定のハンデ重賞。メンバーはいずれも何らかの不安要素を抱えていた。実は勝ったウインマイティーもその一頭で、秋華賞で他馬と接触したことにより、レース中に走る気をなくしてしまう明確な減点要素があった。しかし、ブリンカーを着用した近走は少しずつそのレースぶりが良化。前走・メトロポリタンSは最後でしんどくなったものの、キャリアで初めて逃げの作戦に出て、前進気勢は戻っているように見えた。元々、2年前のオークスで3着に好走し(2着ウインマリリンとは0秒1差だけ)、秋華賞(9着)では3番人気に推されていたポテンシャルの持ち主。栗東からは「状態は前走以上」との情報も入ってきており、まともなら十分にやれると思っていた。

 期待通り、レースは好位3番手をリズム良く追走。3~4コーナーもスムーズに外の進路を選択し、文句のつけようがない完勝劇だった。陣営は調教や馬具など馬の気持ちを走る方向に向かえるよう試行錯誤。時間はかかったが、3歳春のマイティーが帰ってきた。五十嵐師は「うれしい。勝つ力はあると思っていたので。今日は結果が出たので、間違っていなかったんだな」と喜んだ。実は秋華賞で◎を打って、友人にも「自信がある」と言って馬券を買わせた馬(その後の飲み会代まで払わされることに…)。個人的な苦い思い出も全て吹き飛んだ。

 今回のポイントだが、どこからでも狙えそうなハンデ戦は、「それまでに強い競馬を見せたことがある馬」をチョイス。その馬自身が生まれ持った絶対能力を信じて、明確な弱点でオッズが下がっていてもそこは目をつぶる。いわば能力一点突破だ。今回はそれがハマった。人気の2、3着をケアするのは難しくないのだから。

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