【田井】現地取材のたまもの 2、3着見極め万馬券

2022年8月25日 10:00

 木曜日のテーマは競馬。前週に高配当をヒットした記者が「この馬券こう当てた」で的中レースを検証する。万馬券決着となった札幌記念をきっちり当てたのが田井秀一記者。現地滞在中のメリットを最大限に生かし、的確に印を打っていった。

 札幌出張から帰る飛行機で執筆中。東西トレセンは複数人で手分けして取材するが、北海道シリーズは札幌、函館競馬場に1人ずつ派遣される。札幌記念は札幌に田井、函館に同い年の田村君。前回、北海道で相まみえたのは20年のキーンランドC。田村君の◎エイティーンガールが勝ち、わが本命ライトオンキューは2着敗退。牧童対決で1年間、予想バトルをした仲でもあり今度こその思いで取材に没頭した。

 といいつつ、ジャックドールの参戦が決まった時点で本命は99%決まっていた。たびたびコラムに書いているが、2000メートルのカテゴリーでは現役で一番強いと思っている。大阪杯で本命を打たなかったのは、手前(軸脚)を何度も替えた最終追いに疲労が顕著に出ていたから。首を大きく使って前肢をかき込む走法、見るたびに大きくなる後肢の筋肉。「サラブレッドの理想型」の評価は変わっていない。余裕残しの調整、得意ではない右回り、しかも逃げずに勝ち切った。天皇賞・秋ではもっと強いジャックドールが見られるのでお楽しみに。

 現地取材の成果が出たのはむしろ2、3着。2着パンサラッサは田村君の本命で、追い切り翌日紙面の調教独断で函館組唯一となる「S」評価をつけていた。正直、ジャックがパンサをあっさりかわすイメージを持っていたので無印の選択肢さえあったが、田村君のジャッジに救われて(!?)ぎりぎり△を打てた次第。

 3着のウインマリリンは自分が担当した札幌調整組。超抜の最終追いの内容から、こちらも調教独断で札幌組唯一の「S」評価を進呈した。持病の肘腫(ちゅうしゅ)が治まり、「デビュー以来初めて何も気にせず調整できた」という手塚師のコメントは多くのファンの心を打ったはず。大金星を挙げるならマリリンだろうと思い、単穴▲の印を打った。

 札幌出張では毎年お世話になっていたソダシはマイル連戦からの臨戦が気になり、今年は本命は打てなかった。須貝師は「4コーナーはいい感じだったけど伸びなかった。残りの2Fがきつかったし、これではっきりした。(敗因は)距離だと思う」。距離短縮ローテなら次は本命の第一候補になる。今回の出張でも吉田隼と同馬の絆の深さをひしひしと感じた。必ず巻き返してくるはずだ。 (田井 秀一)

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