【桜花賞】ディープインパクト半妹の孫ステレンボッシュ

2024年4月3日 05:30

 ディープインパクトは昨年、血統登録わずか13頭の最終世代から英ダービー馬オーギュストロダンを送り出すという離れ業でクラシックサイヤーとしてのキャリアを締めくくった。今年から産駒がクラシックを走ることは国内外を通じて二度とない。桜花賞にディープインパクト産駒が出走しないのは初世代デビュー前夜の10年以来、14年ぶり。“ポスト・ディープインパクト”が新たなフェーズに入ったことを実感させられる。

 過去5勝、2着5回という最強の桜花賞サイヤーの抜けた穴を埋めるのは、普通に考えれば後継種牡馬のキズナだろうが、関連銘柄として押さえておきたいのがステレンボッシュ。ディープインパクトの4歳違いの半妹ランズエッジの孫である。

 3代母ウインドインハーヘアを祖とする一族は、すでに日本に根を下ろして四半世紀になる大牝系だが、ディープインパクトに続くクラシックホースは17年日本ダービーのレイデオロのみ。もちろん、10年に1頭の割合でダービー馬が出れば立派なものだが、ネズミ算式に拡大した牝系の規模を考えると、少々物足りない面があったのも事実だ。

 ところが現3歳世代は明らかに様相が異なる。76年ぶりの牝馬による皐月賞制覇に挑むレガレイラ、同じく皐月賞にエントリーした京成杯2着のアーバンシックもステレンボッシュと祖母ランズエッジを共有するいとこの間柄。過去に例のないクラシック候補の固め打ちは、あたかも直子の完全撤収を待っていたかのようでもある。“ロス”の副産物は同族の大ブレークということになるかもしれない。 (サラブレッド血統センター)

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