ウインドインハーヘアの玄孫アドマイヤテラの一撃
2024年10月16日 05:30 ディープインパクト産駒が完全に撤退した今年のクラシックは「産駒」の抜けた穴を「同族」が埋めることになる――。桜花賞の当欄でこのような長期予想を展開した。現実にウインドインハーヘアのひ孫ステレンボッシュは桜花賞で一族初の牝馬クラシック制覇を果たし、オークスでも2着に踏ん張ったのだが、同じディープインパクトの半妹である祖母ランズエッジを共有するいとこのレガレイラとアーバンシックは、牡馬の2冠でそれぞれ掲示板確保にとどまった。“ディープインパクト・ロス”の穴埋めは秋に持ち越された形となっている。
種牡馬ディープインパクトが3連覇を含む5勝の固め打ちで存在感を放った3冠最終戦には、トライアルを完勝したアーバンシックに加えてウインドインハーヘア系の新戦力がエントリーしてきた。アーバンシックのはとこにあたるクイーンC勝ちのオークス3着馬アドマイヤミヤビを母に持つアドマイヤテラ。ウインドインハーヘアの玄孫(やしゃご)である。
アドマイヤテラの父レイデオロはディープインパクトの半姉であるレディブロンドの孫。つまりアドマイヤテラにはウインドインハーヘア4×4のインブリードが施されていることになる。キングカメハメハ後継の最終兵器として大いに注目された父レイデオロだが、現3歳の初年度産駒は今のところグレード勝ち馬どころか馬券に絡んだ馬も不在。ウインドインハーヘア3×4となるディープインパクト牝馬との特権的配合で成果が出なかったことも影響したのか、今年の種付け頭数は39頭と、大きく株を落としてしまった。
33歳の今なお健在のウインドインハーヘアは、胎内に初子を宿した状態で2400メートルのG1アラルポカルを勝った逸話でも知られる耐久性の塊。自身の直系子孫を経由したインブリードによって、種牡馬として窮地に陥ったひ孫に起死回生の一撃をもたらすかもしれない。 (サラブレッド血統センター)
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