ディープインパクト産駒“最初で最後”の挑戦に注目

2022年2月9日 05:30

 10日に大井競馬場1800メートルで争われる雲取賞は、19年に重賞に昇格した南関東クラシックの前哨戦。今年もNARグランプリ2歳最優秀牡馬ナッジをはじめ、世代最強クラスが集結するが、中でも血統面からクローズアップしておきたいのがライアン(浦和・小久保智厩舎)。変わり種というべき地方デビューのディープインパクト産駒だ。

 地方競馬の2歳戦でデビューしたディープインパクト産駒は08年生まれの初年度産駒ランニングシューズ(船橋)を皮切りに、11年産アリウム(大井)、12年産シベリアンセオリー(門別)、14年産エイシンウルル(門別)、18年産トーセンエヴァン(大井)に次いでライアンが6頭目。同世代にはもう1頭、園田でデビューしたプラウドアイがいるが、現2歳の最終世代6頭を含めた13世代1776頭の国内血統登録産駒の中でわずか7頭という“レアアイテム”なのである。

 ライアンの母ライアンズチャームは、芝2000メートルのG1パンプローナ賞を連覇した15、16年のペルー芝牝馬チャンピオン。血統的には芝向きとも思える馬で、地方デビューの背景にはオーナーブリーダーである島川隆哉氏と南関東リーディングトレーナー、小久保調教師の深謀遠慮があるのだろう。7着に敗れた前走の全日本2歳優駿は発馬で大きなロスがあったもので、度外視できる一戦。恐らく最初で最後となるディープインパクト産駒の南関東クラシック挑戦に向けて好発進を見せてほしい。(サラブレッド血統センター)

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