【寺下厚司】好相性「阪神JF」攻略法見抜いた
2024年12月12日 10:00 木曜のテーマは競馬。前週に会心ヒットを放った記者が的中へのプロセスを振り返る。今週は大阪本社・寺下厚司が久々の登場。阪神JFで昨年の3連単的中に続き、◎△で馬単1万8180円をヒット。札幌2歳Sで好走した牝馬は当レースでも活躍する傾向を見抜き、アルマヴェローチェにデビューから3戦連続で本命を打ち続けた思いを見事に結実させた。
いつ以来だろうか。覚えていないぐらい、このコーナーに登場していなかった。それぐらいG1は当たっていなかったが、阪神JFが救ってくれた。振り返れば昨年も◎☆△で3連単2万1530円ゲット。相性のいいG1になった。
予想の根拠は紙面のコラムでも書いたが、札幌2歳Sで好走した牝馬は当レースでも活躍。20年から昨年までの札幌2歳Sで牝馬は4頭が3着以内に入り、その4頭は阪神JFで【1・0・2・1】と堅実に上位争いを演じた。札幌2歳S2着だった20年ユーバーレーベン&22年ドゥアイズは阪神JFでそれぞれ6、10番人気ながら3着。牡馬相手の重賞で好走した実績はG1舞台でも通用するのだ。
◎アルマヴェローチェは札幌2歳S2着から参戦。前走は最終週で外が伸びる馬場状態だったが、直線内から伸びて鼻差の接戦に持ち込んだ。タフな馬場でも力強い走りを披露。連続開催で力のいる京都の芝も苦にしないと思った。実際、阪神JFでも上がり3Fは最速34秒3で差し切りV。期待以上の走りだった。
デビューから3戦連続の本命。思い入れもあって追いかけ続けた。今夏、北海道出張でデビュー前のアルマヴェローチェを取材。滞在する函館でも評判になっていた。黒野助手も「動きは文句なし。注文の付くところもない。スムーズなら勝負になる」。力強いコメントははっきり覚えている。
さらに血統面の後押しもあった。父ハービンジャー×母の父ダイワメジャーの配合は昨年のマイルCSを制したナミュールと同じ。京都芝マイルの舞台は初めてでもフィットすると思った。ハービンジャーの血を引く馬は今秋、チェルヴィニア=秋華賞、アーバンシック=菊花賞がG1制覇。淀の大舞台で頼りになる。
阪神JFは終わってみれば、3頭しか出走していなかった前走・芝1800メートル戦組が1~3着を占めた。この結果からも、今の京都はスタミナが要求される馬場コンディションであるのは間違いない。同じ舞台で行われる週末の朝日杯FSも“距離短縮組”に注目。現時点では京都芝1800メートル→2000メートルで連勝中のミュージアムマイルが気になる。 (寺下 厚司)