種牡馬レイデオロ再評価の機運高まる

2025年1月15日 05:30

 13日のニューイヤーSを快勝したトロヴァトーレはレイデオロの初年度産駒。レイデオロ産駒は同期のサンライズアースがすみれS、ミナデオロが白百合Sを勝っているが、非世代限定のリステッド競走勝ちはトロヴァトーレが初めて。JRA5勝も単独最多勝となる。菊花賞で3着に健闘した長距離部門のアドマイヤテラ、3勝クラスのブエナビスタCを大勝したダート部門のムルソーに続き、父の多様性をアピールするマイル重賞戦線の有望株である。

 瞬発力勝負のマイラーとして覚醒したトロヴァトーレは秋華賞と19年ナッソーSの日英G1制覇など世界各地の大レースで健闘した名牝ディアドラ、11日のすばるSでダート転向後2勝目を挙げたフリームファクシの甥(おい)にあたる血統。先週のリステッド競走2鞍は叔父と甥が独占したことになる。昨年、ステレンボッシュ、アーバンシック、レガレイラの「いとこG1トリオ」を生み出したウインドインハーヘア系のような牝系単位の活動期突入の予兆かもしれない。

 種牡馬レイデオロは昨年の交配数が前年比110頭減の39頭、25年種付け料は50%ダウンの250万円と厳しい立場にあるが、ニューイヤーS直前のシンザン記念でウォーターガーベラが3着に食い込み、2世代目にして初めて牝のブラックタイプ(セリ名簿掲載馬名の太字表記)対象馬となった。V字回復とまではいかなくても、6度目の種付けシーズンでは再評価の機運が高まる可能性は大きい。(サラブレッド血統センター)

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